
サドルは重要なパーツの割には、普段は目にとまりにくい。
比較的新しいイタリアンのセットアップをご依頼いただいた。新しいとは言っても30年くらいは経っている楽器である。状態をチェックしてみると、サドルクラックが入っていた。サドルの左右には、一見クリアランスがあるように見えるが、奥の方ではすでにきつくなっていた。また、サドル自体の密着度ももう一息というところで、浮いている部分もあり、フィットをやり直すことにした。サドルのフィットは、往々にして適当であることが多い。何故か、高価な楽器かどうかにはあまり相関がないよう
な気がする。
本当なら、本体側の面が直線で平面であるのが理想で、そうすればサドルの面も正確に平面にするだけだから、フィットはとても簡単である。残念ながら現実には、本体側は凸凹の事が多い。例によって楽器の本体をモディファイしないというコンセプトなので、サドルを削って本体の形に合わせて行く。サドルは弦のテンションを一手に引き受け、表板に伝える役目を担っている。サドルのフィットが悪ければ、このテンションが、偏って表板に伝わることになりはしないだろうか。 フィットが終われば、形を整え表面を仕上げて接着する。このサドルには、強度には問題ないものの、少し割れが入っていたので、それもついでに樹脂で埋めて補修した。
サドルは目が届きにくい位置にあるが、テンションに耐えている。けなげ組に入れても良いくらいだと思う。浮いている事も珍しくないので、時にはチェックしてみてはどうだろうか。
比較的新しいイタリアンのセットアップをご依頼いただいた。新しいとは言っても30年くらいは経っている楽器である。状態をチェックしてみると、サドルクラックが入っていた。サドルの左右には、一見クリアランスがあるように見えるが、奥の方ではすでにきつくなっていた。また、サドル自体の密着度ももう一息というところで、浮いている部分もあり、フィットをやり直すことにした。サドルのフィットは、往々にして適当であることが多い。何故か、高価な楽器かどうかにはあまり相関がないよう

本当なら、本体側の面が直線で平面であるのが理想で、そうすればサドルの面も正確に平面にするだけだから、フィットはとても簡単である。残念ながら現実には、本体側は凸凹の事が多い。例によって楽器の本体をモディファイしないというコンセプトなので、サドルを削って本体の形に合わせて行く。サドルは弦のテンションを一手に引き受け、表板に伝える役目を担っている。サドルのフィットが悪ければ、このテンションが、偏って表板に伝わることになりはしないだろうか。 フィットが終われば、形を整え表面を仕上げて接着する。このサドルには、強度には問題ないものの、少し割れが入っていたので、それもついでに樹脂で埋めて補修した。
サドルは目が届きにくい位置にあるが、テンションに耐えている。けなげ組に入れても良いくらいだと思う。浮いている事も珍しくないので、時にはチェックしてみてはどうだろうか。