
ただし、ペグ穴を開け直す事になれば、楽器に一定の負荷はかかる。既に何度もブッシングされているような楽器の場合には、交換自体が非常に高くつく可能性がある。

この楽器は、ルブナータイプのチューニングマシンがついていた。オーナーの方のご希望で、交換する事になった。ペグの配置から必要なブッシングを行って、 以前のネジ穴も埋める。チューニングマシンのウォームの掘り込みは、埋めずにニスのリタッチのみを行った。新しいマシンのウォームの下になるので、あまり目立たない。

メインのギアが真鍮でもウォームはスチールかステンレスの事が多い。ウォームは摩耗の条件が厳しいのだろう。こうしてみると、やはり真鍮の無垢は色が良いと思う。メッキやブロンズ仕上げのように最初の色を保つことは難しいが、古くなっても良い味になる事を期待できる。