大きな音に対しては、耳栓やイヤーマフを使用して、聴覚を守る必要がある。面倒ではあるが、繰り返し大きな音にさらされると聴覚は自覚のないまま少しずつ損なわれるということなので、気をつける必要がある。
この事は知識として知っていても、現実にはよほど強い意志が無ければ実行は難しい。勤めている人なら職場の環境もあるだけになおさらだ。筆者ももっと早くから実行できれば良かったと後悔する事がある。
オーケストラプレーヤーにも同じ問題があるという事は知られてはいるが、どの程度重視されているのだろうか。恥ずかしながら、筆者自身問題を知りつつもどこか他人ごとであった。しかし、楽器の音はかなり大きい音に分類される。ただ、音楽家の場合には耳栓が演奏の邪魔になる可能性があるために、単なる遮音だけでは完全な解決は難しいのではないか。
音量が危険なレベルに達すると、音を遮断する耳栓がある。これが本当に良い製品かどうかは分からないが、危険の無い時にはマイクで音が内部に伝えられるので、単なる耳栓のように常にゲインがあるものより実用性があるかもしれない。
価格はそれなりだが、実用になるなら決して高い買い物では無いと思う。 もちろんもっと安価で単純なタイプの音楽家向け耳栓も多数世の中には存在している。
ETIMOTIC MusicPRO Electronic Musician's Earplugs
http://www.etymotic.com/hp/mp915.html
実は、木工用や射撃用のイヤーマフにも同様の機能をもったものがある。通常は会話が自由にできるが、騒音が危険なレベルになると音を遮断する。同じような機能のイヤーマフを知っていながら、今まで音楽家用の製品に思い至らなかったのが残念だ。
大きな音で聴覚は損なわれる可能性がある。一度損なわれた聴覚神経(正確な言い方で無いかもしれない)は再生しない。新陳代謝しない細胞のようだ。
どの位大きな音に耐えられるかには大まかな目安がある。色々な基準があると思うが私の見た資料では以下のようだ。
- 90デシベル 一日8時間まで (芝刈り機、電動工具)
- 100デシベル 一日2時間まで (チェーンソー)
- 115デシベル 一日15分まで (車のクラクション)
- 140デシベル 短時間で聴覚に障害を及ぼす (ジェットエンジン)
- 85デシベル 8時間まで
- 97デシベル 2時間まで
- 100デシベル 15分まで
- 103デシベル 7.5分まで
Noise and Hearing Loss in Musicians
https://circle.ubc.ca/bitstream/handle/2429/816/MusiciansFinalRevised.pdf?sequence=1
オーケストラのピークでは120~137デシベルに達するようだ。

上記の資料中には楽器ごとの代表的な音量のレベルの表もあって、予想に違わずコントラバスの音量は、他の楽器に比べて低いレベルだった。耳には優しい。
Violin 84-103
Cello 84-92
String Bass 75-83