指板は割合に簡単に剥がれた。接着には複数の種類の接着剤が使われ、接合面の隙間に充填するようなこともおこなわれていた。
ネックには既にシムが追加されていた。シムとネックの接着は良好に行われており、シムを残すことも考えられた。ただ、良く見るとシムというよりは、ネックの厚みの一部が置き換えられているような感じである。つまり、ペグボックスの一部も含んで新しい木に置き換えられている。

確かに力のかかり方からすると、ここが別になっていても、ある程度は許されるような気もする。それでも、力のかかる部分であるため、この部分の繊維はできるだけ多くつながっていてほしいように思う。

ところで、チューニングマシンのための掘り込みには、スペーサーとして名刺が入れられていた。師匠の名刺ではないか。
ニスを塗り、指板を貼り直した。