2007年5月3日

駒と魂柱のセットアップ2

駒の位置が決まったら、魂柱のセットアップを行う。

以下、文章だけでは少し説明しにくいし、誤解を招くかもしれないので、参考程度に。実際の調整は、魂柱と表板とのフィットや、長さ調整などの作業も含まれるので、専門家に依頼したい。

魂柱は、G線側の駒の足のテールピース側にセットする。
最初にどこに立てるかは、人によっても違うと思うが、上下方向は、魂柱の駒側の端が、駒の足のテールピース側の端から、魂柱の直径程度はなれたところが良いのではなかろうか。左右方向は、駒の脚(足ではない)の幅の中が良かろうかと思う。


まず、魂柱を上下方向に動かすことはどういうことだろうか。

魂柱の上下方向の移動は、主に音色に影響する。

魂柱を駒に近づけると、おおむね音は「明るい」「はっきりとした」方向に変わる。悪く言えば「鼻にかかったような音」方向だ。そして、楽器の反応は「かたい」感じになる方向だ。

逆に駒から離すと、「暖かい」または「暗い」方向に変化する。悪く言えば「鈍く」「エッジの無い」方向だ。そして、楽器の反応は「柔らかい」「弾きやすい」方向と言える。


魂柱の左右方向の移動はどうだろうか。

魂柱の左右方向の移動は、弦の音量のバランスに主に関係する。

魂柱をG線側に移動すると、G,D線の音量が増す。変わりにA,E線は音量を失う方向だ。

魂柱をE線側に移動すると、A,E線の音量が増す。変わりにG,D線は音量を失う方向だ。


以上はおおまかな傾向の話であって、現実には各々が完全に独立に調整できるわけではない。

例えば、魂柱の上下方向の移動は、音域毎の音量のバランスにも変化を与える。左右方向の移動による弦の間のバランスだけでなく、音域毎のバランスも考慮しなくてはならない。

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