2009年3月3日


蝶ネクタイの形の仕口は、蝶ちぎりと呼ばれる。

コントラバスの接合部は基本的には膠による接着である。シンプルな接合方法が用いられているのは、分解補修を容易にする意味もあるように思う。ということは分解する必要の薄いところは、仕口を使っても良いのかもしれない。蝶ちぎりは、接合した二つの材料を引き付ける効果がある。ただ、中に入れるちぎり部分と周辺の材料の木目が直交するので、良くも悪くも仕口自体が意匠として現われてしまう。

楽器のオリジナリティーを保存しようと思えば、仕口は見えないに越したことはない。しかし、この楽器の場合は、チューニングマシンの雰囲気ともあいまって、何とも良い味になっている。蝶ちぎりは英語でもButterfly keyと呼ぶようだが、Double dovetailともいうようだ。Dovetailは日本語では蟻で、洋の東西を問わず木工関係の用語には、何故か動物にちなんだ名前が多い。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

この際ですからお伺いします.蝶ちぎりってどこの部分でしょうか???写真との対応は?

yamaguchi さんのコメント...

教授さんコメントありがとうございます。
コメント欄には写真が載せられないようなので、ご質問の写真を本文の方に載せます。