2010年4月16日

black bass 3 エンドブロック

エンドブロックと裏板、あるいはエンドブロックと表板の間の接着が密着していない楽器を散見する。

楽器の内部は、埃だらけで汚れていると決まっていて、それらのゴミや埃がエンドブロック付近に溜まる。掃除してゴミを取り除くと、隙間が見つかる事がある。隙間があれば、必ず問題が起こるという訳ではない。接着面積に余裕がある場所なのかも知れない。

それでも今回は、一旦はがしてつけ直させていただいた。状態が良くなかった。以前の剥がれの記事でも書いたように、まずは接着面のクリーニングを行う。ニカワが水分で膨張しているのもあるけれども、かなりの厚みのニカワを噛んでいて、この楽器では、それがブロックと裏板が密着していない理由であった。裏板は過去に外した事があると見えて、位置決めのピンが入っていた。

ブロックと裏板の密着が気になるのは、裏板への力のかかり方が気になるからで、裏板はブロックを介して上下に引っ張られていると考えているからだ。裏板とブロックの間の接合はニカワによる接着だけだから、密着しているに越したことはないのではないか。現実には程度問題で、接着がより完全なら安全率が増すだけだと考えても良いのかもしれない。

古い膠を落とし、入り込んだ色々なものを取り除くのは地味な作業だが接着面を損なわないように集中力がいる。綺麗になると嬉しいものだ。ニカワだけが使われていれば、木質部分の損傷は最小限で済む。

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