継ぎ目の剥がれは、つけなおせば無かった事に出来るが、割れは無かった事にはならないためである。
特に表板は、通常は、薄いニカワで接着されていて、割れに対するフェールセーフ機構として働く事が期待されているようだ。また、表板を開けて修理するという意味からも、外れやすくしておく必要がある。接着で強度を出すには、接着する面同士が密着している事が必要で、ニカワで隙間を充填するという事は宜しくない。接着力を弱めたニカワでは特に注意しなくてはならないのではないだろうか。
今回は、なかなか手ごわく、実際に剥がれている部分の周辺も接着状態が悪い。良くないところを開けていくと、接着範囲はどんどん広がってしまった。新しい接着が有効に働くためには、接着面が清浄である必要がある。古いニカワや汚れ、入り込んだニスなどを取り除いていく。剥がれ修理の殆どの部分はこの掃除が占める。
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