2011年4月10日

セルフネックのコントラバス4

 ネックのヒールと裏板の隙間を埋めるプレートを作る。

このプレートと、裏板が密着するよう削り合わせる。単に密着させるだけでなく、ネックの角度を決める要素でもあるので、様子を見ながら少しずつ進める。
横板の欠けた部分も足した。

横板の裏板への着き方も調整する必要がある。横板が裏板から外れていると、横板の周長は一定だが、ある部分を押しこむと、別な部分が出っ張ってくるという具合に自由度がある。これを出来るだけうまく配分することが必要になる。



話は戻って、このプレートは、ボタンと裏板をつなぐ役割も担う。仮に、プレートの厚みが1mmであっても、木取りが正しく行われていれば、弦のテンションに耐えるだけの引っ張り強度が期待できると思う。

ところで、V型に切られたボタンだが、殆ど鋸の挽き代が無いので感心していた。どうやって切ったのか。答えは、ボタン部分はオリジナルでなかった、であった。ボタン部分の保存は行わず、新たに製作することにした。

 ボタンを新しく製作した後、裏板のオーバーレイパッチを施すことにした。先のプレートにプラスして補強しておく意味がある。

このタイプのパッチは、時折見かける。ボタン部分の損傷に対する補強である。今回は、この部分にパフリングもなく、ボタンはオリジナルでない事もあり、パッチは許されると判断した。

元のネックのラインはパッチにかけて、多少不自然になっているが、パッチのボタン部分の面積を稼ぐ目的がある。ネックにはこの部分以外にも、過去に負った故障があるので、将来的には交換される可能性が高い。ネックが交換されるまで、辛抱をお願いしたい。オーバーレイパッチも、将来ボタンのグラフトが行われるまでの辛抱かもしれない。

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