2007年3月20日

弦高の変動など3

表板や裏板の「たわみ」が「弦高が湿度で変化する」ことに影響を与えている仮定して、どのように影響を与えていると考えられるだろうか。
表板、側板、裏板に分けてそれぞれの伸縮に伴う動きを考えてみる。

表板は、側板という枠に周囲を接着されているので、湿度が高くなって巾が広がった場合、アーチの方向にたわんで(ふくらんで)来るように思われる。これは駒を押し上げる方向なので、弦高が高くなるように作用すると思う。

側板の巾方向(木繊維に直行する方向)は、動きに制約を受けないので、湿度が高くなると単に巾が増えるだけだ。つまり楽器の厚みが増す。楽器の厚みが増えると、相対的に魂柱が短くなってしまう。魂柱には表板を支える役目も有るから、支えが短いと弦からの圧力で表板は沈み、弦高は低くなるように作用すると考えられる。

アーチのある裏板の場合、湿度が高くなると表板同様アーチの方向にたわむ(ふくらむ)ように思われる。アーチの方向が表板と反対側であるから、魂柱が緩む方向にたわむ。ということは、側板と同様の効果で表板は沈み、弦高は低くなる方向に作用しそうだ。

ではフラットバックの場合はどうか。実はフラットバックの場合もアーチのある裏板と動く方向は同様になる。フラットバックは内側にクロスバーが接着してあって、内側の伸縮を止めている。しかし湿度が高くなると裏板の巾は広がろうとするから、内側より外側の方が長さが伸びるように反る。すなわちアーチのある裏板と同様に、湿度が高くなると、弦高は低くなる方向にたわむように思われる。

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