Cエクステンション(Cマシン)を作るときには、半音の巾を知る必要がある。
コントラバスの場合は弦長が様々なので、キット化されて販売されているエクステンションでは、カポの位置を調整できる様になっていると思う。逆に調整できなければ、特定の弦長のコントラバスにしか取り付けられないということになって、おかしい訳である。筆者の場合は、取り付ける楽器に合わせて、カポの位置を固定してしまうので、弦長からカポ位置を計算する。
半音の巾は、2の12乗根を用いて計算することが出来る(平均律の場合)。オクターブで振動数が2倍になるから、12回掛けると2倍になる様に半音の巾を決めるということだと思う。計算すると、弦長が106cmの時には、開放弦から半音上がった位置までは、5.95cmということになって、結構な巾である。次の半音までは5.62cmなので、先の半音と足した11.57cmが、ハーフポジションでの1指から4指までの距離だ。エクステンション上では、半音の巾はもっと広くなって、C-Cis間は7.5cmにもなる。
これらの値は、理想的な弦について計算したものだから、エクステンション上で、コントラバスのような太い弦を使った場合に、計算どおりいくのか疑問に思っていた。エクステンションのモックアップなどを制作する段階で、チューナーを使って確認したところ、思いのほか計算どおりの位置で正確な音程になった。もちろん、もとの指板の反りが適正で、それに沿ってエクステンションを付けるという条件のもとである。エクステンションが指板に沿っていないと、不必要に弦高が高くなって、半音の位置も計算した値から離れて行くのではなかろうか。