
マシンが新しいと、光って綺麗である。
ソリッドの真鍮の磨き仕上げだから、時間がたてばくすんでくるが、それも真鍮の良さではなかろうか。写真から分かるとおり、軸はアルミで、真鍮色にアノダイズ(?)されていたので、切った面はアルミの地の色がでることになった。マシンが軽いというのは、軽いエクステンションが有利なのと同じで、振動を妨げにくい利点があり、アルミはその点で有利だ。オーナーの方もそのことを念頭にマシンを選択されたとのことだった。ギアのセンターのネジやウォームギアがステンなので、アルミ色もなかなか良いのではないかと思う。
付属していた取付用のネジは、oval headと呼ばれるネジの頭部が少し丸めてあるタイプだった。通常のフラットヘッドもすっきりして好きだが、このマシンにはオーバルヘッドが良く合っているのではなかろうか。仕上がったマシンを見ながら一人感慨にふけっていても、家人は「男のロマンなのか?」とそっけなかった。
・・・と日記には書いておこう。
50:1のギア比は、回す回数は増えているはずだが、その後のオーナーの方のお話では、簡単に巻けるので感覚的には早く弦交換できるように思われるとの事であった。ともかく、一旦巻いてしまえばチューニングの感触は素晴らしい。もちろん、Irving Sloane以外にも良いマシンは沢山ある。どんなマシンがどんなふうに着いているのか、コントラバスならではの見どころの一つと言えるかもしれない。
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スクロールチークの厚みが左右で均等になるように補強の板の厚みを調整し、オリジナルの形を変えないように、成形していく。写真では分かりにくいが、下の写真の手前手前側のペグボックスの底の角は、補強板と一体にすると面が大きくなるし、元の面の大きさが分からなくなるので、もともとの面をなるべく残すように作った。この楽器のペグボックスの付け根付近は過去にも何らかの補修を行ったようで、塗られているニスの色が多少違う。以前は、付け根からスクロール付近の色まで徐々にグラデーションされて、色の違いを吸収していたようである。
