木材の伸縮など、色々考える事は面白いけれども少し実際的な事も書かなければ、ただの妄想で終わってしまいそうだ。
実際には、湿度が高くなると弦高が高くなることが多いようだ。そして、魂柱は緩くなる。魂柱の長さは湿度では変化しないから、楽器の内寸が大きくなると言う理解で良いと思う。だから、湿度が高くなった時に、弦高を調節しようとして駒を外すと、魂柱を倒す危険が高い。
2007年3月29日
シェラックなど1

シェラックとは、ラックカイガラムシの分泌液を精製した樹脂で、アルコール溶解性であり、楽器のニスにも使われる場合がある。シェラックは、写真のフレーク状のものをアルコールに溶解して使う。
家具には単体で使用するが、シェラックは硬いので、楽器のニスには他の比較的柔らかい樹脂と混ぜて使われるようだ。硬すぎるのである。シェラックが全く含まれないレシピも有る。ニスのレシピの話は、筆者の能力を超えるとても大きなテーマなので、レシピの話ではなく、ちょっとした事を書く事にする。
例えば、楽器全体でなく部分的な補修のことを考える。コントラバスの場合、下にして置く側のエッジが痛みやすいので、ここをタッチアップする時にシェラック単体、あるいはシェラックの比率を高くするというのはどうだろう。全体を硬いシェラックで覆うのは良くないにしても、エッジ部分を保護するだけなら、音への影響も避けられると思う。
2007年3月27日
テールガットなど

テールガットの素材には、針金状のもの、ワイヤ、新素材のヒモ状のもの、ナイロン製のもの等が有る。
針金状のものは最も剛性が高く、一般的にはあまり良くないそうだが、楽器によってはフィットするものもあるかもしれない。楽器はそれぞれ違って、一般的なルールから外れたセットアップがその楽器には最適ということがあるからだ。端部にネジの切ってあるナイロン製のものは、触った事が無いのでここでは触れない。
一般に剛性が高いと良くないというのは、テールピースも自由に振動できた方が良いからのようだ。その点、新素材のヒモ状のものは、柔軟性では最も優れていそうだ。ヒモ状テールガットでは、長さの微調整は結び目を解いて結びなおす事で行う。しかし、手で結ぶ力は、弦の張力(100kg以上?)にははるか及ばないので、弦を張ると結び目が締まる分伸びてしまう。最終的に落ちつく長さを予測して結ばなければならない。 テールピースのピッチを調整する場合には、これがなかなか根気のいる作業だ。
針金状のものは最も剛性が高く、一般的にはあまり良くないそうだが、楽器によってはフィットするものもあるかもしれない。楽器はそれぞれ違って、一般的なルールから外れたセットアップがその楽器には最適ということがあるからだ。端部にネジの切ってあるナイロン製のものは、触った事が無いのでここでは触れない。
一般に剛性が高いと良くないというのは、テールピースも自由に振動できた方が良いからのようだ。その点、新素材のヒモ状のものは、柔軟性では最も優れていそうだ。ヒモ状テールガットでは、長さの微調整は結び目を解いて結びなおす事で行う。しかし、手で結ぶ力は、弦の張力(100kg以上?)にははるか及ばないので、弦を張ると結び目が締まる分伸びてしまう。最終的に落ちつく長さを予測して結ばなければならない。 テールピースのピッチを調整する場合には、これがなかなか根気のいる作業だ。
ステンレスワイヤは柔軟性ではヒモに1歩譲るが、テールガットの長さ調整は圧倒的にやりやすい。筆者は写真のようなスリーブを使うが、他にもワイヤを固定する金具はいくつかあると思う。ワイヤーの太さが2.5mm程度のものを使っている。細い方が柔軟性が高いが、強度が落ちる。太すぎると強度は高いが柔軟性が無くなる。ワイヤーの端は熱収縮チューブで処理している。
2007年3月26日
魂柱など2
魂柱の一般的なサイズは16~19mm19~22mm位で、貼られる弦の張力にも寄ると思うが、あまり細いものは表板に損傷を与える恐れがある。
素材は一般には松やスプルースの類で、木目が通直で年輪が詰まっている方が良いという。針葉樹の場合年輪の色の濃い部分は冬目だから、年輪の間が狭い材料は密度が高く、強度のある材料ということになる。この年輪が表板の木目と直交するように楽器の中で立てられる。
では、合板の楽器の場合はどうなのか?「どんな楽器でも、正しくセットアップされていれば、(その性能の範囲で)楽しく弾ける。」という観点から合板の楽器についても考える価値はあると思う。
合板の楽器の場合は、魂柱の材質をハードウッド(広葉樹)のものに変えると良い場合があるらしい。実際の経験が無いので、断定的に言う事はできないが、確かに、合板の場合は密度も違うし、振動に対する抵抗も無垢の素材とは異なるため、最適な魂柱の素材も、針葉樹では無いかもしれない。
ハードウッドの例としては、ビーチ(ブナ)やメープル(カエデ)などが候補にあがる思う。
素材は一般には松やスプルースの類で、木目が通直で年輪が詰まっている方が良いという。針葉樹の場合年輪の色の濃い部分は冬目だから、年輪の間が狭い材料は密度が高く、強度のある材料ということになる。この年輪が表板の木目と直交するように楽器の中で立てられる。
では、合板の楽器の場合はどうなのか?「どんな楽器でも、正しくセットアップされていれば、(その性能の範囲で)楽しく弾ける。」という観点から合板の楽器についても考える価値はあると思う。
合板の楽器の場合は、魂柱の材質をハードウッド(広葉樹)のものに変えると良い場合があるらしい。実際の経験が無いので、断定的に言う事はできないが、確かに、合板の場合は密度も違うし、振動に対する抵抗も無垢の素材とは異なるため、最適な魂柱の素材も、針葉樹では無いかもしれない。
ハードウッドの例としては、ビーチ(ブナ)やメープル(カエデ)などが候補にあがる思う。
2007年3月25日
糸倉の中で

弦を張るとき、糸巻きに他の弦が干渉する事がある。
本来は弦とペグが干渉しないような位置に、ペグ穴があいてないといけないのだろうが、オリジナルのペグが着いているとは限らないし、もともと3弦だった楽器などは糸倉も小さいので、スペースに余裕がないのかも知れない。
ともかく、ペグに干渉するだけならまだしも、弦同士が干渉すると他の弦の調弦まで変わってしまう。これをなるべく回避したい。さらに、ナットからの角度がなるべく緩くなるようにしたい。あまり急な角度がつくと弦に良くないだけでなく、チューニングもしにくくなる。
そこで、写真の様な配置に巻く事が多いのではなかろうか。読むのも億劫かもしれないが一応説明すると、
・E線のペグは、他と干渉することはあまりない。
・A線はD線の通り道を右側(以下左右は上記写真での話)に確保しつつ、巻き終わりがなるべく左に寄るようにする。
・G線は左に寄せたA線の近くから右に向かって巻き始め、最後の一巻を間隔を空けて巻き、D線の通り道を作る。
・D線は、左から巻いてA線の右側を通り、G線の通り道を通る。
G線とD線が交差するところが今1つ綺麗でないけども、弦同士が擦れあうのは避けられる。もっと良い巻き方があるかもしれない。弦の巻き始めを穴に長く差込んで巻き数を減らすのは、弦への負荷とチューニングの安定性からあまり推奨されないようだ。
本来は弦とペグが干渉しないような位置に、ペグ穴があいてないといけないのだろうが、オリジナルのペグが着いているとは限らないし、もともと3弦だった楽器などは糸倉も小さいので、スペースに余裕がないのかも知れない。
ともかく、ペグに干渉するだけならまだしも、弦同士が干渉すると他の弦の調弦まで変わってしまう。これをなるべく回避したい。さらに、ナットからの角度がなるべく緩くなるようにしたい。あまり急な角度がつくと弦に良くないだけでなく、チューニングもしにくくなる。
そこで、写真の様な配置に巻く事が多いのではなかろうか。読むのも億劫かもしれないが一応説明すると、
・E線のペグは、他と干渉することはあまりない。
・A線はD線の通り道を右側(以下左右は上記写真での話)に確保しつつ、巻き終わりがなるべく左に寄るようにする。
・G線は左に寄せたA線の近くから右に向かって巻き始め、最後の一巻を間隔を空けて巻き、D線の通り道を作る。
・D線は、左から巻いてA線の右側を通り、G線の通り道を通る。
G線とD線が交差するところが今1つ綺麗でないけども、弦同士が擦れあうのは避けられる。もっと良い巻き方があるかもしれない。弦の巻き始めを穴に長く差込んで巻き数を減らすのは、弦への負荷とチューニングの安定性からあまり推奨されないようだ。
2007年3月24日
弦高の変動など4
「弦高の変動など3」までの考えをまとめると、
湿度が高くなると、
・表板は、弦高が高くなるように
・側板は、弦高が低くなるように
・裏板は、弦高が低くなるように
それぞれ動くと思われた。
弦高が高くなる方と低くなる方の両方の要素があるので、湿度が高くなると弦高は高くなるのか低くなるのかは分からない。それにこれらの話は実験で確かめていないから、あくまで机上の話(しかも定性的な)でしかない。湿度が高くなると本当に楽器のアーチが高くなるのか、測定してみなければ分からないことだ。それに、実際の条件はもっと複雑だ。これまでの話では、表板や裏板の外周は側板によって固定されていると仮定してきたが、側板自体薄いので実際は変形しているかもしれない。表板と裏板は材質も違うし、何といっても表板にはf穴という穴が空いている。
しかし、楽器が無垢の木で製作されているのは事実だ。無垢の木で製作されている以上、材料の伸縮を吸収する仕組みが必ず必要だ(と思う)。もし、楽器のアーチがその役目を果たしているとすれば、驚く事だし、とても優れたデザインと言えると思う。しかも、弦高に対しては、互いに相殺するような機能があって、湿度の変化に対して弦高を一定に保つ働きをしているのではなかろうかと想像するのは、飛躍が過ぎるだろうか?
湿度が高くなると、
・表板は、弦高が高くなるように
・側板は、弦高が低くなるように
・裏板は、弦高が低くなるように
それぞれ動くと思われた。
弦高が高くなる方と低くなる方の両方の要素があるので、湿度が高くなると弦高は高くなるのか低くなるのかは分からない。それにこれらの話は実験で確かめていないから、あくまで机上の話(しかも定性的な)でしかない。湿度が高くなると本当に楽器のアーチが高くなるのか、測定してみなければ分からないことだ。それに、実際の条件はもっと複雑だ。これまでの話では、表板や裏板の外周は側板によって固定されていると仮定してきたが、側板自体薄いので実際は変形しているかもしれない。表板と裏板は材質も違うし、何といっても表板にはf穴という穴が空いている。
しかし、楽器が無垢の木で製作されているのは事実だ。無垢の木で製作されている以上、材料の伸縮を吸収する仕組みが必ず必要だ(と思う)。もし、楽器のアーチがその役目を果たしているとすれば、驚く事だし、とても優れたデザインと言えると思う。しかも、弦高に対しては、互いに相殺するような機能があって、湿度の変化に対して弦高を一定に保つ働きをしているのではなかろうかと想像するのは、飛躍が過ぎるだろうか?
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