2014年3月26日

新譜 J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番、第5番 (コントラバス版)

石川滋さんの新譜が3月27日リリースになります。当方でも取り扱い予定ですが、入荷日は未定です。

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“世界のSHIGERU“ バッハを弾く。
2年前発売後、衝撃をもたらした、コントラバスによる、
バッハ無伴奏チェロ組曲の第2弾、ついに発売決定!



■タイトル:J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第4番、第5番(コントラバス版)
■品番:IMGN-6002 (イマジン・ベストコレクション)
■JANコード:4560294850423
■演奏者:石川滋(コントラバス)
■価格:2500円 + 消費税
■発売日:2014/3/27(木)

■収録曲:
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第5番 BWV1010 ハ短調
J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第4番 BWV1011変ホ長調
鈴木鎮一:前奏曲と名古屋の子守歌
P.カザルス:鳥の歌

2014年2月8日

フロッグ製作


フロッグと弓が接する部分は正確に合っている必要がある。

弓を新たに作るときには、フロッグを先に作り、それに合わせてスティックを削ることができる。しかし、既存の弓に新しいフロッグを作るときは、スティックに合わせてフロッグを作らなくてはならない。

一般的な形で作られているアンダースライドが合うとは限らないので、まず銀の板からアンダースライドをスティックに合わせて作り、出来たアンダースライドに合わせてフロッグの木部を作る。

この部分が正確に合えば、フロッグの動きは滑らかになり、がたつくこともない。正確に作られた弓では、ボタンの回転は不必要に重くならない。ただ、使われてきた弓の場合には、摩耗などで弓側の面が正確でなくなっていることがあり、何を重視するか判断を迫られる。

弓の機能上重要なのは、チップとフロッグの関係が正確であることだ。アンダースライド部分を適当に作ると、フロッグがチップに対してねじれた関係でついてしまうことになる。この正確さを守りながら、アンダースライドに合わせてフロッグを作っていくのは手間がかかる。

アンダースライドがついたら、弓のスティックの太さに合わせてスライドの幅を削っていく。新作の弓なら、フロッグをスティックにつけたまま削っていくこともできるが、既存のスティックに合わせる場合は、着けて様子を見、外しては削ることを繰り返す。ジャーマンボウのフロッグの場合は、グリップによっては、指先がフロッグとスティックの境界部分を触るので、面が触っても分からないくらいに一致していた方が、持った感じは良いと思う。

フロッグの幅が決まったら、それに基づいて全体を成形する。外形寸法はプレッチナーモデルを踏襲し、その他は当方の感じで仕上げさせて頂いた。この段階では、見た目もだが重さが重要だ。
最後の方になればなるほど、それまでの作業の積み重ねがあるから、プレッシャーもかかる。

2014年2月5日

the Strad

今月号(February 2014 VOL. 125 NO.1486)のthe Stradはコントラバス特集である。

Trade secretsのコーナーでは、Robertson & SonsのDavid Briggsさんがエクステンション製作の一端を見せてくれている。


2014年1月27日

エンドピンスクリューの手入れ

エンドピンのスクリューが真鍮製がである理由については以前書いた。

エンドピンのネジの材質が、エンドピン自体よりも柔らかいことが重要で、ネジを締めた時にネジの先端がわずかにつぶれ、ずれにくくなるのではないかと思う。もちろん、エンドピンがスチールの場合の話だ。

真鍮ネジの先端は使用につれてつぶれてくるので、時折外してドーム状に成形すると調子が良いようだ。真鍮ネジでも先がつぶれて平らになると、締めた感触が悪くなってくると感じる。そんな時は、ドーム状かコーン状に成形してメンテナンスしたほうが良いように思う。そうなると、エンドピンのネジは消耗品の一つと考えてよいのではないか。

ただし、先のつぶれたネジは、外そうとしても途中で固くなって抜けなくなるものもある。 そんな時は無理に外さない方が吉だ。ネジ先端のつぶれがネジ山にかかり、抜けなくなっているのだ。無理に外そうとすると、真鍮のネジはあっさりと折れてしまう。そうなると中に残ったネジを取り去るのは容易ではない。

2013年11月18日

コントラバスハードケースの使用法

コントラバスをハードケースに入れる時、衝撃に耐えるためのポイントがある。
Robertson & Sons Violin Shopのサイトで動画を使って解説されている。


 How to Pack a Bass for Shipping
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=xhwn21MHuEo

楽器をあおむけにしたとき、

  • 裏板
  • ネックヒール(ボタン部分)
  • スクロールの後頭部

が均等に支えられるようにウレタンフォームなどを追加して調整する。追加のウレタンなしでは、ネックのヒール部分は浮いていることがある。追加ウレタンなしでも無事なことが多いが、均等に支えられるようにウレタンを追加することで、衝撃を受けた時に楽器が破損する確率を減らせる。
これらは、スティーブンソンのハードケースの説明書でも触れられており、正しく使用すれば、かなりの衝撃にも耐えられると書いてある。

動画中でのベルトの締め加減も参考になる。

Robertson & Sons Violin Shop, Incorporated
http://robertsonviolins.com/

2013年11月8日

友人

簡単に言うと、初めて拝見する楽器は、どんな楽器でも初めて会う人のようだ。

従って、筆者の場合は、最初にすべてを見切り、すべての場所について一度に解決することは難しい。何度も拝見して、付き合いを重ねるうちに分かってくる事も多い。

全く初めは見えなかったものが、少し見えるようになる。コントラバスは大きな木の箱に過ぎないけれど、広い宇宙のようにも思える。知るには時間がかかる。

大体最初はいつもゆっくりで、 次もやっぱりゆっくりだ。ゆっくりでも、でももうその他大勢のきつねではなくなっている。楽器の作者に対する尊敬や、楽器と材料の木そのものに対する畏敬の念はある一方で、知り合いになった事そのものが、親しみのような、特別な存在になったようなそんな感じを与えてくれる。

事あるごとに師匠とお呼びするのは気が引けるが、師匠とセットアップした楽器達はFriendsなんだという。Friendsなんて、少し気安い感じもすると誤解していた。患者に対する医者のような、作曲家に対する演奏家のような、もっと重々しい関係がふさわしいような気がしていた。しかし、そんなことは当然のことだ。

友人とは、多くの教えをもたらす偉大な楽器であっても、気難しいじゃじゃ馬でも、この広い世界で知り合うことでができた喜びを表す言葉だ。

2013年6月21日

Frog Mortice

フロッグのプラグを入れる穴には、作者のスタイルがある。

毛替えの時は、この穴の形が問題になる。形や角度によっては、クサビが作りにくい事がある。

だからと言って、フロッグを削ってしまう事は問題のように思う。何故か角度が殆どないために、どうしても必要な場合もあるとは思うが、その場合でも形などのスタイルは踏襲するのが良いように思う。また、弓の持ち主には通常は見えない場所である事も、慎重を要する理由ではなかろうか。

写真のフロッグは、作者と全く別のスタイルの形に掘り足されていて、削り方も荒っぽいものであった。削った屑もそのまま中に残っていた。
良い弓では、フロッグ内部も毛替えしやすいように考えられていて、プラグの穴も、プラグを削って合わせやすいように配慮されている。このフロッグでは、それが無視されたため、プラグを合わせるのがやりにくくなってしまった。この弓の場合は、何故掘り足す必要があったのかも分からない。

もちろん、こうなってしまっても毛替えは可能で、恐らく削った方にはやりやすくなったのだと思う。しかしオリジナルの綺麗な穴は失われてしまった。元に戻すような補修ができるどうかは、その状態による。フロッグ内部は、寸法の取り合いが厳しいため、埋めて掘り直すより、そのままにして置く方が良い事が多い。