2007年4月7日

適切なセットアップ

時折、力が無くて弦を押さえられないというような話を耳にする。
確かにコントラバスは大きいし、他の弦楽器に比べて弦のテンションも強いが、押さえるのが大変な第1の原因は、セットアップが適切でないことに尽きると思う。

そこで、以前に出た話題もあるが、ブログ開始1ヶ月記念ということで、適切なセットアップについてまとめてみた。もちろん、実際に行う時は信頼できる楽器店に相談することをお勧めする。

(1) 適切な弦の選択。太くてテンションの高い弦は、もちろん押さえにくい。もし自分の使っている弦に、ゲージが色々有るなら、無理をせず、他のゲージを試しても良いと思う。細い方から、Weich, Mittel, Starkと書いてある場合もあるし、light, medium, heavyと書いてあることもある。指を壊すくらいなら、細くてテンションの弱いゲージを選ぶべきだ。あるいは、弦のメーカーや種類を変えるべきだ。
以下の全てが出来ない場合、弦の交換だけでも相当楽になると思う。

(2) そしてまず、駒側の弦高だ。
以前の投稿で、標準的な値として6,7,8,9mm(G,D,A,E)を揚げたが(指板の駒側の先で測った値)、これより下げられるケースも多い。指板のRが極端に小さい楽器では、他の弦に挟まれた弦(D線やA線)が弾きにくくなる事があるから、その辺は考慮しなければならない。

(3) 次に上ナット側の弦高。
これは可能な限り低くする。指板のキャンバーが適切なら、紙一枚分位と言っても良い。上ナット側の弦高が、ミリ単位で測れるようだと、ハーフポジション辺りはさしずめ地獄だ。

(4) そして、指板の適切な反り(キャンバー)。
適切なキャンバーがあると、指板の全範囲にわたって弦高が平均化する。キャンバーは正確な円弧状で、最深部も適切な位置に無ければならない。

(5) さらに、弦同士の間隔が広すぎるのも良くない。
弦間隔は、上ナット上の間隔と、駒上の間隔があるが、いずれも広すぎてはいけない。広すぎると弾きにくいだけでなく、楽器の鳴りも抑制してしまう。

もし楽器を弾くのに、指を痛めるくらい力が必要なら、以上のポイントを中心に、是非楽器店に相談してみて欲しい。(1)~(3)までならそれほど費用もかからないはずである。
握力を鍛えるのは、自分の楽器のセットアップをチェックしてからでも遅くない。

0 件のコメント: