既にネックは少なくとも一度リセットされていた。ネックブロックの写真右側は埋め木がされていて、深さは分からないが新しい木が追加されている。また、左側の古い部分は、剥がれたが付けなおされた状態で、接着には隙間があり、ネックを良い状態で支えられるとは思えなかった。さらにサイドに入れられたシムは、部分的に入っているだけで密着度が低いうえ、壁自体にも亀裂が入り、ブロックとは一体ではなくなっていた。



ネックの方は、綺麗にクリーニングする。今回は、部分的に膠ではない接着剤が使われていたので、クリーニングには時間がかかった。膠でない接着剤は、除去に時間がかかるだけでなく、完全に取り除くのは難しい。一部残った部分もあるかもしれないが、殆ど影響は無いと思う。
裏板のボタンと接着されるヒールの部分は、大きく面がとられていた。この部分は多少は、面取りした方が良いが、面にしてはあまりにも大きいので、木を足した。木口接着に近いが、ボタンとの接着面積を多少は稼ぐだろう。
今回の指板交換に伴う、ネックリセットとブロック補修は、オーナーのかたには、予想外の出費となったと思うが、結果的には良かったのではないだろうか。外からは見えない部分ゆえに、こういう機会でもなければ、ブロックの状態は分からなかったのではないだろうか。