2007年9月13日

アジャスターの影響

駒の高さを調整するアジャスターは、その時々の環境に合わせて調整できる反面、音への影響が気になる。
ホームページのリンクでも紹介しているように、アジャスターが音に与える影響を調べた例もある。

先日、アジャスターの取付の時に、弾き比べる機会があった。使用したアジャスターは黒檀製のもので、重量は片側12g程度、一般的なアルミ製のものと同じくらいである。取付の前後で可能な限り同一のセットアップにして弾き比べたところ、殆ど差を感じられなかった。あくまでの筆者の弾き比べによる主観なので、一般化するつもりは無いが、何らかの変化があるだろうとの予想に反して、今回の取付に関しては本当に分からなかった。

たまたま黒檀のアジャスターと今回の楽器の相性が良かったのか、他に理由があるのかは分からない。アルミのアジャスターでも音に影響は無いと言う人もいる。駒を切って間に異質の物を挟むわけだから、影響が全く無いという事はないだろう。今回使用した黒檀のアジャスターでは、筆者には差は無視できる程度に思えたが、演奏者によってその辺の判断は様々と思うので、あくまで、音と利便性のトレードオフということになるのではないか。

今まで黒檀製のアジャスターは、ネジの径が大きくなるため敬遠していたが、今回使用したものは、製作精度もあり、綺麗に仕上げられていて、音共に良い印象であった。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

木材どうしですと相性がよさそう,という
こともありましが,ネジ山がつぶれてしまう
等々の問題がありそうなのでちょっと
敬遠しています.

さっそく書き込みしてみました...^^

yamaguchi さんのコメント...

教授さんコメントありがとうございます。コメント頂けると純粋に嬉しいです。

おっしゃる通り、木質のアジャスターの取付の加工をしていると、木材同士の相性の良さというか、親和性の高さを感じます。これは多分に感覚的なものですが。

それから、確かに、おねじが木質の場合には、繊維方向に剪断力がかかりますので、木質の特性としては不利です。しかし、大まかに計算した所、まず問題のない範囲のようです。

また、おねじが金属の場合でも、めねじ側は木質ですので、おねじが黒檀になったとしても、全体としての強度はそれほど違わないような気がしています。

実際の例では、今回、アジャスターをとりつけた楽器では特に問題は起きていないようですし、同様の黒檀製のアジャスターはRobertsonでも使われています。

いずれにしても、アジャスターは、何を使うかという事よりは、取付の加工精度の方が問題になる可能性が高い様に感じています。

もちろん、楽器を演奏する上で不安要素を減らすに越した事は無いですから、少しでも不安があれば、他の素材を選択するというのも賢明な判断だと思います。